.NET Framework 3.5 から 4.x への移行

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こんにちは、Japan Developer Support Core チームの上原です。 開発しているアプリケーションのターゲットフレームワークバージョンを、.NET Framework 3.5 から .NET Framework 4 以降のバージョンへ移行する際に考慮いただくべき点や、検討のお役に立つ情報などについて解説させていただきます。

なお、本記事は 2025年 11月現在 の情報を元に記載しておりますが、必要に応じて最新の情報をご確認ください。

.NET Framework 3.5 について

現在サポートされております全ての OS バージョンでは、.NET Framework 3.5 は OS の機能の一部として提供されており、"Windows の機能の有効化または無効化" と呼ばれる機能からランタイムを有効化し、利用することが可能です。 なお、.NET Framework 3.5 は .NET Framework 3.5 SP1(Service Pack 1) を表記される場合もありますが、現在サポートされている全ての OS バージョンにおいて同一ソフトウェアを指しており、区別いただく必要はありません。

.NET Framework 3.5 のサポートライフサイクルは、ライフサイクルのドキュメント にも掲載されている通り、OS バージョンによって異なります。 Windows 10 バージョン 1809 および Windows Server 2019 以降は、.NET Framework 3.5 は固定ポリシーが適用されるスタンドアロン製品としてサポートされますので、OS のサポートが継続している限り、最長で 2029年 1月 9日までサポートされます。 一方で、Windows 10 バージョン 1809 および Windows Server 2019 より前の OS バージョンでは、OS の一部として、OS のサポートライフサイクルに沿ってサポートされます。

ただし、.NET Framework 3.5 は既にメインの開発は終了しており、セキュリティなどの致命的な問題を除き修正や改善は提供されませんので、既存のアプリケーションを引き続きご利用いただくといったシナリオでは懸念はありませんが、「継続的なアプリケーション開発や新規開発といった用途での利用は推奨しておりません。 また、最長でも 2029年には全ての環境において .NET Framework 3.5 のサポートが終了しますので、既存の .NET Framework 3.5 アプリケーションは、速やかに .NET Framework 4.8 といったより上位のバージョンへの移行を検討いただければと思います。

アプリケーションのターゲットフレームワークバージョンを、.NET Framework 3.5 から .NET Framework 4.x へ移行する際には、3.5 から 4(4.0) への移行と、4.x バージョン間での移行の、両方の観点で考慮が必要です。 本記事では、それぞれの段階に分けて、一般的な .NET Framework アプリケーション開発に関するドキュメントなどをご紹介させていただきます。

.NET Framework 3.5 から 4 への移行

.NET Framework 3.5 と .NET Framework 4 では、多くの機能や API で互換性がありますので、既存の .NET Framework 3.5 アプリケーションのターゲットフレームワークを変更し、再ビルドすることで従来同様に動作することが記載されます。 しかしながら、一部の機能では破壊的な変更や、動作に際が生じる場合もありますので、ターゲットフレームワークを変更した上で、ビルドや動作について問題が生じないか検証する必要があります。

.NET Framework 3.5 アプリケーションの移行手順や、よくある一般的なトラブルシューティングにつきましては、以下の弊社ドキュメントにまとめられております。

.NET Framework 4.x バージョン間での移行

移行対象の具体的な .NET Framework 4.x バージョンにつきましては、以前の記事 でも解説した通り、アプリケーションの要件や実際に利用が想定される環境などをふまえ、移行前に決定いただく必要があります。 現時点で .NET Framework 4.6.1 以前のバージョンはサポートが終了しており、一般的により新しいバージョンの利用を推奨しておりますので、特に要件や制約がない場合には、.NET Framework 4.8 への移行をご検討いただければと思います。

.NET Framework 4.x における互換性情報については、それぞれのバージョンごとに互換性ドキュメントが用意されており、影響を受ける機能や API が紹介されております。 例えば、.NET Framework 4 から 4.8 へ移行する際には、4 の次のバージョンである 4.5 から 4.8 の全てのバージョン 4.5, 4.5.1, 4.5.2, 4.6...4.7.2, 4.8 の互換性ドキュメントから、アプリケーションが利用している機能や API を中心に確認ください。

[参考情報] Windows 11 Insider Preview Build 27965

2025年 11月現在、既にリリースされております Windows 11 の Insider Preview において、.NET Framework 3.5 をインストール方法が、 Windows の機能の有効化と無効化 による有効化から、単体インストーラーでのインストールに変更されております。 Insider Preview は評価や検証を目的としたリリースであり、今後予告なく変更される可能性もありますので、将来の OS バージョンでも引き続き .NET Framework 3.5 アプリケーションを利用する際には、必要に応じて最新の状況をご確認ください。

Announcing Windows 11 Insider Preview Build 27965 (Canary Channel)


本ブログの内容は弊社の公式見解として保証されるものではなく、開発・運用時の参考情報としてご活用いただくことを目的としています。もし公式な見解が必要な場合は、弊社ドキュメント (https://learn.microsoft.comhttps://support.microsoft.com) をご参照いただくか、もしくは私共サポートまでお問い合わせください。