こんにちは、Japan Developer Support Core チームの松井です。
今回は Visual Studio 2013 でサインイン画面が表示されない場合の対処方法についてご案内します。
現象
Visual Studio 2013 でサインイン画面の表示を試みた場合に、”問題が発生しました”、”オンライン サービスは使用できません。後でやり直してください。” のエラーが表示される。
原因
Visual Studio のサインイン画面をはじめとする弊社の各 Web サイトやサービスでは、古い暗号化プロトコルである TLS 1.0 および TLS 1.1 の廃止が順次進められています。一方で Visual Studio 2013 は .NET Framework 4 の既定の暗号化プロトコルを使用しており、既定のシステム構成では TLS 1.0 が使用されます。そのため、Visual Studio 2013 からサインイン画面のサイトへ接続を試みた際に接続が拒否され、ダイアログにエラーが表示されます。
対処方法
PowerShell を起動して以下のコマンドレットを実行し、コンピューターに .NET Framework 4.6 以降のバージョンがインストールされているか確認してください。
1 | (Get-ItemProperty "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\NET Framework Setup\NDP\v4\Full").Release -ge 393295 |
True が出力される場合は .NET Framework 4.6 がインストールされていますので、以下のレジストリ設定を追加します。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft.NETFramework\v4.0.30319]
“SchUseStrongCrypto”=dword:00000001
64 bit OS の場合は以下のレジストリも必要となります。
[HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Wow6432Node\Microsoft.NETFramework\v4.0.30319]
“SchUseStrongCrypto”=dword:00000001
変更後に Visual Studio 2013 を再起動し、事象が解消されているか確認してください。コンピューターの再起動は不要です。
前述のコマンドレットで False やエラーが出力される場合は .NET Framework 4.6 より古いバージョンとなっているため、以下のブログ記事の手順に沿って対応してください。
参考情報
TLS 1.0 / TLS 1.1 の廃止、およびこの変更により Visual Studio の機能が影響を受ける可能性があることについては Visual Studio 開発チームの下記のブログ記事にてご案内しています。
Azure DevOps requires TLS 1.2 on all connections including Visual Studio
原文抜粋
Visual Studio 2022, Visual Studio 2019, and the latest release of Visual Studio 2017 (version 15.9 and beyond) already use TLS 1.2 and are not impacted by the upcoming change. Earlier versions of Visual Studio that are running on devices not configured to use TLS 1.2, may begin to see errors when connecting to Azure DevOps services. Features such as signing into Visual Studio, unlocking the IDE, and remote Git operations could be affected.
日本語訳
Visual Studio 2022、Visual Studio 2019、および最新の Visual Studio 2017 (version 15.9 以降) は既に TLS 1.2 を利用しており、今後の変更の影響は受けません。TLS 1.2 を使用するように構成されていないデバイスで実行されている以前のバージョンの Visual Studio は、Azure DevOps Services に接続するときにエラーが発生する可能性があります。Visual Studio へのサインインや IDE のロック解除、リモート Git 操作などの機能が影響を受ける可能性があります。
この変更に関する背景の詳細については下記のブログ記事やそのリンク先もあわせてご確認ください。
本ブログの内容は弊社の公式見解として保証されるものではなく、開発・運用時の参考情報としてご活用いただくことを目的としています。もし公式な見解が必要な場合は、弊社ドキュメント (https://docs.microsoft.com や https://support.microsoft.com) をご参照いただくか、もしくは私共サポートまでお問い合わせください。