Visual Studio 2022 のライセンス認証について

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こんにちは。Developer Support Core チームの上原です。今回は Visual Studio 2022 のライセンス認証について、手順や注意点をご紹介させていただきます。

はじめに

Visual Studio では、利用にあたりライセンス認証が求められる場合があります。
Visual Studio のバージョンによって状況が異なりますので、本記事では現時点(2025年 10月) の最新バージョン Visual Studio 2022 を例に紹介させていただきます。

Visual Studio 2022 では主に、特定の用途において無料で利用可能な Community エディション、および、有償で利用可能な Professional、Enterprise エディションが提供されています。
Professional および Enterprise エディションのインストールを実施すると、まず一定期間利用できる試用版(Trial) としてインストールされ、その後、ご契約いただいたライセンス情報を元に認証することで、期間の制約なく正式版としてご利用いただくことが可能となっております。

そのため、ご購入前の評価といった目的でインストールし、一時的に試用する場合には、ライセンス認証を実施いただく必要はございません。
また、試用版をご利用している場合も、ライセンスの有無に関わらず、Microsoft アカウントにてサインインすることで試用期間を延長する ことは可能ですので、必要に応じてこちらもご活用ください。

ライセンス認証の方法

Visual Studio 2022 の Professional あるいは Enterprise エディションといった有償エディションでは、インストール後にライセンス認証が必要となりますが、認証方法は大きくわけて 2種類あります。

  • アカウントの資格情報を入力する
  • プロダクトキーを入力する

なお、お持ちのライセンスによっては、いずれか片方の認証方法のみが利用可能といった場合もありますので、ライセンスの管理者や購入元にご確認ください。

アカウントの資格情報を入力する

Visual Studio 2022 の UI 上から、ライセンスと紐づけられている Microsoft アカウントや職場のアカウントでサインインすることで、ライセンス認証を実施することが可能です。
Visual Studio 2022 を起動し、メニューのファイル>アカウント設定 の画面から、事前にライセンスの紐づけを実施済の アカウントの資格情報を入力 することで、認証を完了することができます。

なお、Visual Studio は定期的にライセンスが有効であるかを検証しますので、有効期限が切れた場合も同様に、アカウントの資格情報を入力し、ライセンスを更新してください。

一般的なトラブルシューティング

弊社までよくお問合せをいただく事例として、Visual Studio からサインインを実施する際にエラーが発生し、認証に失敗するといった状況があります。
サインインに失敗する要因は様々ですが、ここでは問題が発生した場合の一般的なトラブルシューティングについてご紹介します。

まず、ネットワークを介してサインインを行うにあたり、ファイアウォールやプロキシサーバーを介して通信を実施する必要がある環境では、あらかじめ [サインインに必要となる通信](許可リストに追加する URL と開くポートとプロトコル) を許可しておく必要があります。
もし、サインインに必要となる通信を許可することが難しい場合には、オフライン環境での利用と同様に、プロダクトキーによる認証もご検討ください。

次に、Visual Studio ではなく、システムの Web ブラウザー(Microsoft Edge) を用いてサインインが可能であるかを確認ください。
もし、システムの Web ブラウザーでは正常にサインイン可能である場合には、 Visual Studio の設定を変更し、システム Web ブラウザーの有効化 することでサインインに成功するかをご確認ください。

他にも、Visual Studio におけるネットワークに関するトラブルシューティング のドキュメントには、既知の事例や対処方法が紹介されております。
エラーメッセージなどを手掛かりに、もし該当する事例がありましたら、対処方法を実施し、問題が解消するかお試しください。

最後に、アカウントのサインインに失敗するケースは、多くの場合、端末が配置されたネットワーク構成や、ネットワーク上に配置されたプロキシサーバーなどに起因して問題が発生することがほとんどですが、上記を確認しても問題が解消しない場合には、弊社サポートにて問題解決のご支援をすることも可能です。
その場合に必要となる情報採取について、本記事の後半にまとめておりますので、もしよろしければ事前に情報を採取の上、弊社までお問合せください。

プロダクトキーを入力する

主にオフライン環境で利用するといったシナリオでは、Visual Studio の画面上でプロダクトキーを入力し、ライセンス認証を実施することも可能です。
プロダクトキーが入手可能か、あるいは、実際の入手方法は契約によって異なり、例えば Visual Studio サブスクリプションを用いた手順については こちらのドキュメント に紹介されています。

なお、Visual Studio におけるプロダクトキーは、バージョン(Visual Studio 2022 や 2019 など)、および、エディション(Professional や Enterprise) ごとに異なりますので、入手する際はバージョンとエディションにもご注意ください。

コマンドからの認証

複数の端末に対して Visual Studio を展開するといったシナリオにおいて、コマンドからプロダクトキーを適用し、ライセンス認証を実施することも可能です。
Visual Studio 2022 では StoreID.exe と呼ばれるコマンドを利用することで、コマンドからプロダクトキーを適用することが可能ですので、こちらのドキュメントの手順に沿って、実施をご検討ください。

[参考情報] サインインが失敗する場合の情報採取について

(注)一般的なトラブルシューティング のセクションを事前にご確認ください。

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1. アプリケーションの一覧から "Developer Command Prompt for VS <Visual Studio のバージョン>" を起動します。

2. "devenv /Log <ログファイルを保存したいファイルパス>\ActivityLog.xml" のコマンドを実行し、 Visual Studio を実行します。

3. 起動した Visual Studio にてサインインを実施し、エラーが発生することを確認します。

4. 手順2. の手順で指定したファイルパスに xml 形式のログが出力されますので、採取します。
  • エラー発生時のネットワーク キャプチャ
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1. 管理者権限を持つアカウントでコマンド プロンプトを開きます。
※ UAC が有効の場合には、"管理者として実行" で開きます。

2. 次のコマンドを実行し、キャプチャを開始します。
netsh trace start capture=yes

3. Visual Studio を起動し、サインインを実施し、エラーが発生することを確認します。

4. 次のコマンドを実行して、キャプチャを停止します。
netsh trace stop

5. 手順4 の実行後、プロンプトに [ファイルの場所] 欄が表示されますので、保存された NetTrace.etl ファイル、
同じフォルダ内の NetTrace.cab の 2 つのファイルを採取します。


本ブログの内容は弊社の公式見解として保証されるものではなく、開発・運用時の参考情報としてご活用いただくことを目的としています。もし公式な見解が必要な場合は、弊社ドキュメント (https://learn.microsoft.comhttps://support.microsoft.com) をご参照いただくか、もしくは私共サポートまでお問い合わせください。